構造物の耐震調査および診断

構造物の耐震調査および診断  既設構造物の耐震性の判定を行うために,耐震調査/耐震診断を行います。  また近年,既設杭の非破壊試験による性能判定を行って,性能が良好であれば既設杭を再利用することも行われています。  システム計測(株)では,構造物や杭あるいは地盤アンカーの耐震調査工事や,それらの結果に基づく構造物全体の耐震診 断を実施しています。

耐震調査の項目

耐震調査では,構造物の常時微動測定による振動特性の調査やコンクリートの試験鉄筋の腐食調査などがあります。また杭の非破壊試験を実施すると,杭を掘り出さずに杭全長に亘る健全性を調査することが可能です。

 調査項目  システム計測(株)所有機器
常時微動計測 同データレコーダー
 動歪アンプ(9ch)
 ペンレコーダー 
杭の健全性調査(非破壊試験,中性化試験)
*下記参照
IT-SYSTEM
コンクリートのコア採集・圧縮試験 コア採集機(φ50〜φ200 ダイヤモンドビット)
コンクリート厚さ(厚み、剥離、空隙)測定 iTECS-5
コンクリートの非破壊試験
 ,中性化試験
コンクリート非破壊試験器
 シュミットハンマー
 プロフォメーター4 (鉄筋探査機) 
鉄筋腐食試験
 構造物のキレツ調査
 その他  マイクロレベル計 (1/10m/m 精度)
 ブレーカー・高速カッター・吹付機・他

杭の健全性調査(非破壊試験,中性化試験)

既設杭の再利用のために,健全性試験を行って杭の性能評価を行った例です。

テストハンマー試験
IT試験
IT試験では,杭頭部をハンマーで軽打し,その反射波を解析することによって,杭地中部のひび割れの有無,発生箇所などを調査します。
コンクリートの中性化試験
 杭コンクリートの中性化度合いを調査し,コンクリートの耐久性や強度などを調査します。

コンクリート構造物の非破壊試験システム

測定原理の基本

 コンクリート表面をインパクター(鋼球)で軽く打撃し、弾性波を発生させます。波動は、測定面と平行な対向反射面の間で多重反射し、その過程で、波長がコンクリート構造物の厚さの2倍に相当する定在波が発生します。この定在波の周波数を分析して波長の半分の長さをコンクリート構造物の「厚さ」として検出します。iTECS-5では、多重反射による定在波がより顕著になるように、コンクリート表面での振動速度を測定しています。
 iTECS-5では、周波数分析を、距離等間隔としたMEM解析法(最大エントロピー法)によって行います。また、周波数の時間的変化をスペクトログラムとして分析し、コンクリート構造物の厚さ、内部状況の診断に必要な情報を提供します。スペクトログラムでは、構造物の応答波形が「厚さ」によるものか、内部欠陥によるものか、剥離などによるものかをスペクトルパターンによって判断できるようになります。

弾性波速度の測定

コンクリートの縦弾性波速度は、同じ種類のコンクリートの場合、圧縮強度と比較的良い相関関係を示します。この性質を利用して、縦弾性波速度を測定し、コンクリートの強度測定を行います。 iTECS技術での弾性波速度の測定は、波動が距離Lの2点間を伝搬する時の伝搬遅延時間から、V=L/Tとして算出します。なお、打撃点は、2つのセンサーを結んだ直線上、センサーの外側です。iTECS-5では、センサー付きのインパクターを使用しますので、センサーからLだけ離れた点を打撃し、打撃力の発生時間とセンサーへの到達時間の差から縦弾性波速度を算出します。
センサー距離 時間 弾性波速度
(mm) (ms) (m/sec)
200 0.045 4444
300 0.069 4348
400 0.102 3922
500 0.13 3846
600 0.15 4000
700 0.177 3955
800 0.201 3980
900 0.224 4018
1000 0.2542 3934

コンクリートの厚さ・内部欠陥の測定と解析

 弾性体の表面に発生した波動は、弾性体の内部に伝播します。コンクリート板では厚さ方向、しかも、打撃点と測定点の間で多重反射します。超音波測定法では、波長が短いために入力波と反射波が時間軸上で分離できますので、反射波の到着時間から反射の深さを推定することができます。しかし、弾性波では波長が長く、入力波と反射波が重なってしまいます。そこで、波動の繰り返し周期をスペクトル解析によって求めD=Vp/2f0として厚さDを算出します。ここで、Vpは弾性波速度、f0は、厚さ方向の共振周波数です。iTECS-4のスペクトル解析方法には、特定時間範囲の波形を用いたMEM(最大エントロピー法)スペクトル解析、及び分析波形をを連続的に切り取った時間窓MEMスペクトログラム解析法があります。

耐震診断解析

耐震調査結果に基づき,構造物全体の耐震性の解析を行います。システム計測(株)では以下のような解析ソフトを用いています。

DOC-RC/SRC (株)構造システム
BUILD耐震診断 (株)構造ソフト
周波数解析ソフト システム計測(株)