杭の先端載荷試験

杭先端載荷試験は、杭の先端にあらかじめ取り付けた油圧ジャッキによって、先端抵抗と周面摩擦抵抗とを互いに反力として載荷する方式の載荷試験です。この方法では反力杭や載荷梁などの反力装置が不要となり、安全かつ工期短縮が可能で低コストであること、杭先端に直接荷重を載荷できるため精度の良い支持力特性の把握が可能となるなどのメリットがあります。載荷装置には、アメリカ・オスターバーグ教授が実用化した先端ジャッキ方式や、千代田化工建設が実用化した新載荷試験法があります。

先端載荷試験の模式図 先端載荷試験から得られる
荷重-変位関係
先端ジャッキの例 試験時の杭頭部の状況

先端載荷試験では直接杭頭部の荷重-変位関係を求めることはできませんが、実験データに基づく荷重伝達法等の解析から精度の高い推測が可能です。

先端載荷試験と押込み試験の多くの比較実験から、ほぼ同様な杭の極限支持力、荷重-沈下関係が得られることが確認されています。